パラリンピック女子マラソンにおいて、スペインのエレナ・コンゴスト選手が失格となった理由は、ガイドランナーに関する規定違反が原因でした。
視覚障害者クラスのマラソン競技では、選手とガイドランナーがロープを使って走ることが義務付けられていますが、今回、ゴール直前で伴走者がふらつき、コンゴスト選手がガイドの手を握ったことが規定に反するとして失格となりました。
過去にも同様のケースがあり、厳格なルールが適用されるパラリンピック競技の難しさが浮き彫りになっています。
エレナ・コンゴスト選手の失格理由は？
視覚障害T12クラスの女子マラソンで3位でゴールしたスペインのエレナ・コンゴスト選手が失格となった背景について、多くの方が疑問を抱いているようです。
失格の理由は、競技規則に違反したとみなされたことが原因です。
具体的な失格の原因は、コンゴスト選手とガイドランナーの間におけるルール違反が指摘されています。
視覚障害者マラソンでは、選手とガイドランナーが特定の範囲内で走行することが求められており、ガイドが過度に選手を引っ張ったり、アシストしすぎたりすると違反となることがあります。
コンゴスト選手はこのガイドルールを守れなかったとして失格の判定が下された可能性があります。
結果として、コンゴスト選手の順位は認められず、失格という形で大会を終えることとなりましたが、この決定に対してファンからは驚きの声が上がっています。
ガイドランナーの規定違反で失格
視覚障害T12クラスの選手がガイドランナー（伴走者）とともに競技を行うパラリンピックでは、伴走者との連携が非常に重要です。
今回、スペインのエレナ・コンゴスト選手が失格となった理由も、ガイドランナーとのルール違反が原因でした。
競技規則によると、視覚障害の選手と伴走者はガイドロープを使用して走ることが義務付けられています。
しかし、ゴール直前に問題が発生しました。男性伴走者がふらついてロープを離し、その際にエレナ・コンゴスト選手が伴走者の手を握ってしまったため、規定違反となったのです。
この行為が失格の決定に繋がりました。
競技後、エレナ・コンゴスト選手はメダルを獲得した直後に失格を告げられ、非常にショックを受けた様子でこう語っています。
「正直、メダルを手にしていたので衝撃的でした。誰だって、反射的に行動してしまうことはありますが、ロープを一瞬放したことで失格と言われ、もう取り返しがつかないと感じました。」
涙ながらに語った彼女の言葉からも、失格の決定がどれほど残念だったかが伝わってきます。
ガイドランナーに関する競技規則とは？
パラリンピックにおける視覚障害者クラスの競技では、ガイドランナー（伴走者）の役割が非常に重要であり、競技規則にも厳密なルールが定められています。
特に、女子マラソン（視覚障害T12クラス）では、ガイドランナーを使用する際の規定が明確にされています。
以下は、パラリンピックの女子マラソン（視覚障害T12クラス）の競技規則の一部です。
ガイドランナーの使用に関する競技規則：
- ガイドロープの使用
競技中、ガイドランナーは選手を誘導するためにロープを使用します。選手とガイドランナーはロープで手や腕を結び、互いに体の一部（手や手首など）を直接握ってはいけません。 - フィニッシュまでのガイドロープの継続使用
ガイドランナーが交代する場面を除いて、選手とガイドランナーはフィニッシュまでロープを結び続ける必要があります。一瞬でもロープが離れることは違反となります。 - ガイドランナーのフィニッシュ時の位置
ガイドランナーは、選手に先行してゴールすることは許されていません。選手と一緒にフィニッシュラインを越える必要があります。
これらの規定は、競技の公平性と選手自身の力を発揮するために設けられています。
特に、今回のエレナ・コンゴスト選手の失格理由は、ガイドロープが一瞬離れ、伴走者の手を握ってしまったことが規定違反となったためです。
引用：読売新聞
過去にもガイドランナーの規定違反による失格の事例
ガイドランナーは、選手のサポート役である一方で、選手をリードしたり先行してフィニッシュラインを超えることが禁止されています。
この規定に違反した例として、2022年に東京・国立競技場で開催されたハーフマラソンにおける道下美里選手のケースがありました。
彼女は当時の世界記録を上回るタイムでゴールしたにもかかわらず、伴走者が先にゴールしてしまったことで失格となりました。
このように、パラリンピックや視覚障害者の競技においては、選手とガイドランナーの動きが厳密に監視されており、少しの違反でも失格につながることがあります。
エレナ・コンゴスト選手に対する世間の反応
今回、スペインのエレナ・コンゴスト選手が視覚障害T12クラスのマラソンで失格となった際、彼女のパフォーマンスを賞賛する声が多く寄せられました。
特に、ガイドランナーがゴール直前でふらつき、コンゴスト選手が反射的に手を貸してしまったという状況について、多くの人が同情の声を上げています。
あるコメントでは、こうした反応が見られました。
「最後にガイドランナーの方がフラフラになり、選手が手を貸したことで失格になったらしい。メディアもその点をもっと報じてほしかった。それは道下選手のメダルの価値を下げるものではなく、過酷なコースを走り抜いたこと自体が素晴らしいと思う。」
また、別の意見では、厳しいルールに従った失格の決定を理解しつつも、失格選手やガイドランナーへの敬意が示されています。
「ルールが厳格に守られたので当然ではありますが、あの状況でガイドを気遣ったコンゴスト選手にも拍手を送りたい。失格になることを理解していたはずですが、彼女はガイドを助けた。ガイドも責任を感じているだろうから、しっかりサポートしてほしい。」
このように、厳格な競技ルールの下での失格判定にも関わらず、コンゴスト選手の行動や彼女のパフォーマンスに対する称賛の声が広がっています。
まとめ
今回、パラリンピック女子マラソンでエレナ・コンゴスト選手が失格となった理由は、ガイドランナーに関する規定違反が原因でした。
ゴール直前に伴走者がふらついたため、コンゴスト選手が手を握った行為が規定違反と見なされたのです。
視覚障害者クラスの競技では、選手とガイドランナーの連携が非常に重要であり、厳しいルールが適用されます。
今回の失格は、選手自身のミスというよりも厳格な競技規則に基づく結果でしたが、彼女の努力とパフォーマンスに対する称賛の声は多く、スポーツの過酷さを物語る出来事となりました。